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前出くん。
たぶん人生で一番傷ついたと思っている人。
でも今は、負けおしみでなく本当に一緒にならなくてよかったと思っている。そんな風に思える日もくるのだなと思う。
でもそんな風に考えれば、あれだけ執着した律くんも、今は同じ感想を持っている。東さんだって。楡なんか論外。
悪いところはみんなどこかしらあって、自分を選んでくれなかったことにショックを受け、昔は、次に自分を肯定してくれる人を見つけることで、悪かった自分は帳消しになった。
何にも反省してこなかった。

あの人はわたしの何がダメだったんだろう、と最近よく思う。
わたしの人生の恋愛ごとはほとんど彼女がいる人だったので、だから自分がどうだろうと、この恋はそもそもが間違っていると自分のせいにはあまりしてこなかった。自分はいつだって精一杯誠実なつもりだった。

きちんとお別れを言ってくれた、高校の時つき合ってた男の子。その理由はあまりにそっけなくて、今でも本心はわからない。でも、じゅうぶんなお別れの言葉だった。
その頃泣いた記憶がない。好きだったけど、あんまり好きじゃなかったのかもしれない。事実を淡々と受け入れ、淡々と受験先の変更をした。
今思えば、そんなこちらの気持ちも感じていたのかもしれない。
成人式の後、ご飯に誘ってくれた。
車で送ってくれた帰り際、あの時は本当にごめん、今好きなやついるの?と聞かれた。
いるよ、と言ったら、そうか、そうだよな、と言って、サッパリと別れた。
その後も2回ほど会うことがあったけど、本当にもうそっけなくなって、それきりになった。
つい最近まで相手がどんな気持ちでいるのか、考えていなかったことが多かったように思う。昨日はこのことを思い出して、初めて泣いたかもしれなかった。

わたしの些細な言葉に傷つき、わたしから気持ちが離れていった人。
だんなはちゃんとわたしの言葉を聞き、離れないでいてくれている。

いつか、後からふり返って、一緒にならないでよかったと思える日がくるんだろう。でも今までと違うのは、相手がいたのはわたしだったこと。もちろん別れたかったし、そう伝えたのも本心だし、駄目だと言ったのも先輩。だけど、先輩はこのことで傷ついたこともあっただろうか。嫉妬したり、それを消すために望まないことをしたりした日もあるだろうか。わたしとのことを期待して、傷ついた日もあるだろうか。それは想像したことはあるけど、ないことのような気がしていた。それはわたしの勝手な見解で、そう思わない人はいないんじゃないかと、最近向こうの立場でよく思う。
だから謝りたかった。
答えを伝えるまでもないと思っているのか、想像するしかないけど、それでも答えをくれたあの恋の終わりは楽だった。