14日。満月の日。
今日を逃したら、この先しばらくチャンスはないかもしれない。
ひとりきりになれて、静かなところから先輩に電話をかけられる日なんて。
出ても出なくても、この時期にかけたということに意義がある。

21時半ぐらいにかけたけど、案の定出ない。メッセージも入ってこない。
でもこれで、年末年始にもしお誘いがあったとしても、なかったとしても、会えない、ということを伝えやすい。

だからよかった。と思いながら、案の定寝つけなくなっていた。
22時半。見ていたスマホに、突然着信がある。わたしがかけ間違えたフェイスタイムで、先輩もかけ間違えたみたいだった。
だから、取ってくれるかわからなかったけど すぐにかけ直した。

先輩が、出た。優しい声だった。
メールを2つ返し忘れているのを思い出して、この電話はかけ直さないとと思って。
と言っていた。誕生日のメール、届いてたんだ。そしてわたしの誕生日はスルー。何か言って笑っていたけど聞き取れなくて教えてくれなかった。遅れながらお祝いを交わしあった。
メッセージを拒否したのではないみたいで、ほっとした。

忙しくて疲れてる、ということだったけど、久しぶりに話して楽しかった。
疑惑や不安が、ほんの一時的にだけど晴れていく。
甘えたかったあれこれを言って、気がすんでいく。
きっと先輩も、わたしと話して楽しかったと思いたい。

先輩と話すのは楽しい。
なんでもいいから、先輩とずっと話したかった。
年末年始は会えないけど、退職のお祝い喜んでくれるかな。
この電話は来年分、なんて言っていたけど あなたに早く会えるように、いろんな努力をするよ。


授乳が始まって、意外にも1人目の時と同じぐらい苦労していて、1人目よりは見通しがあるけど、昨晩は1人で乗り越えてみせたんだぜ。
経産婦の意地。
今日は乳房マッサージもあったけどオイルマッサージやらエステやら、癒される1日だった。早くも自分にご褒美があたるのが、とても価値を感じてよかった。これからの生活がいいものになりそうだと思うぐらい。

明後日には退院。
新生活の始まりに、期待をしている。