またハローワークへの電話なんて忘れてしまった。明日も、容易に忘れるだろうスケジュールである。
渡辺くんの隣の教室で作業していて、終わったから横切った。ウキウキとはするけど、最近、全然話さないし、つまらなくなっていたから、そそくさと通り過ぎたのだけど。
カツカツと黒板に書きつけていたから、しばらく降りてこなさそうなテンションだと思ったのに、すぐ追いかけるように階段を下りてきた。
意外だったのでチラッと見たけど、目が合うでもなく、だからわたしもスタスタと歩みを緩めることなく下りたのだけど。
もしかして、合わせて下りてきたとか。
そんな考えがふと帰ってからよぎり、久しぶりに悪い気はしなかったのだ。
帰り際も、目を合わせて挨拶できた。それがあるのとないのでは違うんだ。