ハローワークへの募集は、ぼちぼち進んで、木曜日に面接である。
数年、身にあまる給与をもらい続けたせいか、月給の少なさに、思ったよりモチベーションが上がらない。どうする、わたし。
どうせ落ちるかもしれないし、落ちるつもりで、受けに行こうか。受かって、断ったりしてもいいのだろうか。
支援員の方が、待遇いいんだろうな。
うーーーん。数年先は、どっちをしてたらよかったと思うんだろうな。
またハローワークへの電話なんて忘れてしまった。明日も、容易に忘れるだろうスケジュールである。
渡辺くんの隣の教室で作業していて、終わったから横切った。ウキウキとはするけど、最近、全然話さないし、つまらなくなっていたから、そそくさと通り過ぎたのだけど。
カツカツと黒板に書きつけていたから、しばらく降りてこなさそうなテンションだと思ったのに、すぐ追いかけるように階段を下りてきた。
意外だったのでチラッと見たけど、目が合うでもなく、だからわたしもスタスタと歩みを緩めることなく下りたのだけど。
もしかして、合わせて下りてきたとか。
そんな考えがふと帰ってからよぎり、久しぶりに悪い気はしなかったのだ。
帰り際も、目を合わせて挨拶できた。それがあるのとないのでは違うんだ。
週末、渡辺くんにちょっとだけ抵抗のある頼まれ事をされて、それを受けた。
結局は何にもならなくて、なんのお礼も言われなかったし、渡辺くんには何にも残っていないのかもしれない。主任の女先生は、お礼を言われるチャンスがあったのに。不公平だ。なんて思った。
未練がましく洗い物を手伝ったりして、それを主任の先生に伝えたりして。なんだか、女の嫉妬。嫉妬してるし、されてる気がする。
近頃は姿を探して、目が合えばじっと見つめてしまう。
そのせいなのか、なんなのか、その夜は渡辺くんとセックスする夢を見た。
そのせいで、渡辺くんが頭を占める割合が増えた。
今日はせっかく田辺さんにも会えたのに、なんだかいい加減な、あいまいな態度をとってしまった。向こうも素っ気なかったような気がする。貴重なのにな。あなたにもいっそ告白してしまいたい。
センセ。ライン返してくれないなぁ。
予想はしてたけど、ちょっと寂しい。
初めにくれただけで、いいんだけど。
かなり嬉しかったから、いいんだけど。
今週はまさかのスタート、担任の先生インフルによる1週間担任。
余裕がないから、渡辺くんにときめく暇もない。
担任の先生ってやっぱり相当忙しいんだなぁ。
あっという間に昼だった。
早くこの学校終わってしまえばいいから、早く過ぎるのいいんだけど。あと何日かなぁ。
今日は5分メイクでバレエ送迎。
田辺さんじゃなかった。
そんな気がしていたさ。
ラインが入ってきて、センセイだったらいいな、とちょっと強く思ったらセンセイだった。
嬉しくて舞い上がり、精一杯の気持ちを入れたやり取りをした。
それを交わされたとしても、そんな感情を持つ機会を得ることが、大切なことだと思う。
そう、今朝は、渡辺くんの夢を見て起きた。
かなりはっきり出てきた。
ねずみが汚した天井を、きれいに拭いてくれた。その時の密着感も残っていて、寝起きは渡辺くんのことで頭がいっぱいだった。
出会いを求めた今日の出張にはセンセイがいた。
久しぶりに会ったけど、パーマをかけた前髪が可愛くて、ちょっと見とれてしまった。会う度に若くなるので、歳下の彼女でもいるのかと思う。
その後も目が離せなかったけど、そそくさと帰るセンセイが寂しくて、帰りは諦めて駐車場に向かっていたら、出口でこちらを向いて待ってるように見え、恥ずかしくて目を逸らすと、追いかけてきてわざわざ挨拶してくれた。嬉しくてウキウキ歩いていたら、また車で横切るとき、わざわざ窓を開けて挨拶してくれた。ちょっと嬉しくなってしまった。