送別会、オワタ。

渡辺くんも終わったなぁ。

一次会で、1回席に来てくれただけだったなぁ。

その時話したのは、渡辺くんがお酒があまり飲めないこと、だけど飲み会が好きで、毎週末飲んでいること、意外で、教えてくれたことが嬉しかった。色っぽい視線で話してくれるからわたしもがんばって見つめ返したけど、まぁ終始渡辺くんはそんな感じになって、なんだ、まぁ、そっか… みたいな。終わったな。終わった。

 


あぁ、でも3日ぐらいは、あの絡みつくような視線で過ごせるかな。あぁ、好きだったなぁ。でもちょっと、若い子に気圧されて、やっぱり吹き飛んでしまうような感情のような気もする。

学校、オワタ。

これから送別会だけど。

離任式疲れた。気負わずに行っても、あの場はやっぱり緊張するし、できることなら避けて通りたいものだ。

 


16時まで時間があるのに、家でひとりで過ごし、実家にも足を向けられないでいる。緊張の疲れが癒えず、そして、疎外感を癒す為にも、ひとりの時間が必要なんだ。

どこにも呼ばれず、誘われず、子ども達にも別に惜しまれず、ぞんざいに扱われ、自分からも卑下し、そのスパイラルで、下流に流されていく。

離任の寂しさより、それで涙が出そうだった。

というか、全然、寂しくない。子どもと関わってなかったんだろうな。前回ほどの開放感もない。前は嬉しすぎて、体育館を走って出たんだけどな。

この学校で苦手とする人達があまりにも一緒に出ていくので、一瞬留まらなかったことを後悔したけど、やっぱり、この学校は嫌いだった。出れてよかった。次の学校は明るそう。幸先いい。

まだまだ嫌いな人は残っている。消えても消えても、浮上してくる。学校の子どもは好きだったけど、学校の先生の雰囲気が悪いのか、学校のまとう雰囲気が悪いのか、地域性なのか、なんなのか、伝統的にここは雰囲気の悪い学校なんだと思う。

 


今日の送別会の一言なんて言おうかな。

もう特段思い入れもないし、一度送ってもらってるからこれ以上求めないし、言われたことに返すのと、次の抱負、とかかな。

 

 

 

今日はわりと、いい日。

高校の時つき合ってた子の話をして、懐かしくなった。最後の日直ということで、しっかり学校ともお別れした気がした。

 


渡辺くんと、けっこう話した。

さて、お昼になったのに、他の先生方がぞろぞろ出ていく中、渡辺くんは動かない。お昼いかないんですか、と聞くと、あんまり食べなくてもいいかなと思って、なんて言う。よく食べるイメージがあったからピンとこなくて、ダイエットかしら、なんだろう、もしかしてお金あんまりないのかななんて思ったりもしてしまう。わたしが日直だから、残ってくれてるのかしらん、なんて思っては楽しんだり、結局、校長先生にお昼をおごってもらっていた。

夏休みは、することなくて本を読んでいたと教えてくれた。担任てそんなものかと思ったり、年休使わなかったのが意外で、彼女、いないのかななんて思ったり。

真面目そうな彼のことだから、奨学金とか返してるのかな。なんか食費辛そうなのは前も1回聞いた。

 


そして、日直を切り上げた後、追いかけるように帰る渡辺くん。全然帰るそぶりなかったのに、何かあったのかな。確かにリュック担いでたし、帰るっぽかったけど、明日の送別会のことか、それとも渡せなかったWDかな!

 


明日もたくさん話せるといいな。

 


そして、放課後はイケメン整体師に当たる。

電気のパッドをつけてくれたのは女の人だったのに、外すのはいきなりイケメンで、背中からシャツをめくられ、ブラの下に手を滑りこませて、わたしの背中を触りながらパッドを外していく。

マッサージではわたしの首をまさぐりながら、目を閉じてわたしを感じている。暖かい手。その手でわたしの手を何度か取り、腕を上げたり下げたり。頭をよぎるのは、AVでありがちなマッサージ師との流れ。これはほとんどセックスだな、と思う。

学校が決まった。

広野くんのところではなかった。

それでちょっと落ち込んだけど、もしかしたら田辺さんの校区かもしれないと、やっぱり少しの不誠実を、あてにしないと生活は楽しめないと思った。

でも、今の学校で抱いてしまった不純な気持ち、それらを捨てて誠実に学校に勤めようと思う。

夏の試験が終わったら、いよいよ第3子。

旦那も乗り気だ。

 


あんまり市教委から連絡が来ないから、もしかして今の学校なのかと思ってしまい、そうなったらいいななんてつい思ってしまったから、渡辺くんとさよならするのも寂しいし、学校に慣れるというのもいいもんだなんて思ってしまうし、その分ショックが大きくなってしまった。

嫌いなとこが多いのを思い出して、でも嫌だった原因のほとんどはなくなってしまうことや、でも一番嫌な人が残っていることや、なんとか色々こじつけて、受け入れるしかない。相変わらず道のりは遠回りである。でも決めているのだ、次の学校にずっといる。真面目に勤めると。

履歴書はどんどん汚れる、もう書ききれない。

こんなふうに、人生を過ごしていくのだ。

それが嫌なら、合格しかない。

人に恵まれますように。

そういえば最近、田辺さんの嫁と話すようになって、こないだは、うちの下の子が行っていた保育園名を当てられて、逆にドッキリさせられたりした。

うちの上の子は1こ違い、下の子はたぶん同い年。

結婚した時期もたぶん似てて、わたしと田辺さんとは、年も近いんだと思う。ハローワークにいた頃は、とても落ち着いていたから年上だと思っていたけど、もしかしたら同いぐらいなのかもしれない。子どもがいなかった期間が長いのが、田辺さんもそうなんだと思うと、一緒なのが嬉しかったりする。

 


なんでも嫁の姉がその保育園にいるということで、下の子の一時保育の組とは関係ないからあんまり関わりはなかったということだけど、でもちょっとぐらいは知ってて、どこで話がどう繋がって上の子のバレエで一緒な人の子とわかるのか、結構ぐいぐい聞かないとわからない気がして、嫁もこちらに興味がある、というか探っているのかと思ってドッキリしたのだ。

でも嫁は意外と話しやすく、やっぱり感じのいい人で、このままほんとに仲良くなって、子ども同士も仲良くなって、家とか遊びに行くことになったらどうしましょうとか思う。田辺さん的にかなり身構えるシチュエーションだよね。

この状況を楽しんでいる。でも、ちょっと後ろめたさがあるからか、向こうにも、試されている気がしてしまうのだ。

今日は朝からやる気なし。

だんながいなからでもない。いた方がいいとは思うけど、子ども達は朝からばぁちゃん家に出かけたのだし、わたし1人で倒れてるいる。

 


昨日先生達の熱い内示を聞き、わたしも所在をはっきりさせたいのだと思う。

離任式や送別会に対するプレッシャーもあるのだと思う。

次はルンルンのところへ行って、鼻をあかしたい。その欲求もある。こんなとこから出たいという欲求、同じ学校でもそれはそれで面白そうだという欲求、嫌なところに決まったらどうしようという不安、それを誰にもぶつけられない空虚。

わたし、こういう状況に弱いんだな。

 


新年が明けて、3ヶ月が経とうとしているのだけど、ただじっと時を待っていたような感じで、ずっとその時を待っていたのだけど、教採の結果待ちに似てて、何にもならないというか、何にもならなかったというか、またそんな気分を味わわないといけないというか、それを、送別会のプレッシャーの中迎えないといけないというか、今日はとにかく元気が出ない1日だった。

今日は修了式。 

朝一、ドアの向こうで遠慮してるのは彼じゃないかと、そろそろ開けるとやっぱり渡辺くんで、今日は朝からついているなんて思って始まった一日。

 


お昼をほんのり期待してたけど、やっぱりお弁当が出た。えび天だったので、少し迷って、エビアレルギーを理由に主に渡辺くんに、どなたかエビ食べてくれませんかと頼んだ。あ、じゃあと名乗りを上げてくれて、2つとも取ってくれた。

わたしの食べられないものを、渡辺くんが平らげてくれる。エロい。とてもエロい。それだけで今日を終えてもいい。

しかし、ハイライトはそれだったな。

わたしの嫌いなあの子を、渡辺くんはきっと嫌いじゃない。それは引いちゃう。

 


それだけじゃない、今日はなんだか、薄ぼんやりした拒否のようなものを感じて、それで自分の仕事に逃げてサクサクサクサク物事が片づき、完全に25日は休める準備ができた。3日間完全オフ。この連休中に、次の勤務先も決まるのだけど。

あぁ、やなとこだったらどうしよう。

井上くんに出会いたいだけなんだ。