今日は子どもに5時に起こされて、体の節々が痛いとか咳がひどいとかのその時のコンデションの悪さに「あ、無理休もう」って決めて2度寝してアラームと共に絶対休めない日であることを思い出して、行くしかなくて、放課後の勉強の時間も病院で潰れることが確定で、そんな1日のスタート。

 


なかなかに風向きの悪い学校、子どももさることながら、職員室のお局様達が苦手だ。本音がわからない。そういう人達は苦手だ。ここしばらく、この人達のことで気が重くなる。

 


なにより先生。

午前中はろくに顔も見てあげないと、視線を避けていたのにワークショップの時間になってとにかく顔が見たくなって、結局後ろからずっと見ていた。

給食の時間になって机の引き出しの建てつけの悪いのをえいやっと閉めた時に、職員室に入ってきた先生とパチっと目が合った。今日も給食の時間に電話をかけていた。この時間は好き。先生が静かに出す声を背中で聞きながら、ご飯を食べる。

でもその後の鑑賞会で、近くに来てくれたように感じたけど、それは違う先生がいたからかもしれない。それから片づけの時、わたしの椅子のキャスターは手伝ってくれなかった。それが何よりショックだった。手を抜かれた、とか、そういうキャラじゃない、とか、よくない意味に捉えられた。

その後ふてくされて帰ろうとした時、ふいに職員室で2人きりになった。先生が意識してるように見えた。

いろいろ細かいことを気にしているけど、結局はいいことを考えて寝たいのだ。

歓迎会の時、先生が「この人仕事が大好きだから」みたいなことを言われてたようなことをふと思い出した。

 


幹事だった先生のことはよく覚えている。

とにかくタイプじゃないと思った。

細面で、調子のいい、信用できないタイプというか、メチャメチャな評価じゃないか、とにかく、率直にそう思っていた。

歓迎会の途中も、主に仕切っていた先生は挨拶に来ることもなく、わたしも特に気にせず、とにかくその場の空気を読むことに必死で、無事に済んで帰ることだけを目標としていた。たぶん出口付近で、今日はありがとうございましたぐらい言ったと思うけど、それぐらいだったと思う。

 


翌週、初めて学校に入り、満開の桜の木の下でお昼を食べるのに参加することになった。わたしは先生を横から見て食べるみたいなポジションになり、隣は誰だったか、とにかくお弁当を必死に食べながら、でも、歓迎会の時と違った若い髪型を新鮮に見つめたり、あ、あのセーター、わたしと色違いのユニクロだ。あのセーター、この学校に着てけないな。なんて思っていた。

 


意識するようになったきっかけは全く記憶になく、始業式の日の、5年生の漢ドのことで先生のクラスに何度も行って協力してもらったこと、改めてクラスに行った時に子どもにきちんと紹介してくれたこと、身体の弱い子のマラソンのことを聞いたこと、等が初期の交流だったと記憶してる。そのやり取りの誠実さ、丁寧さは好印象で残っていたとは思う。そのうち先生の顔のよさに気づき、見かけると嬉しくなり、探すようになり、チロルチョコのメモで舞い上がって、スケジュール等を確認するようになり。ストーカーみたいなことはやめよう。

 


チロルチョコのメモは2個目になり、わたしは食べることができないでいる。避難訓練の度に増えていくのか、楽しくなる。

先生のことを掴めないでいて、真意は、なんて考えてしまうんだけど、仕事が好きというのが一つの基準だとして、たまに向けられる気がする好意的な雰囲気とか、それとは逆のつき離すような雰囲気、そのどちらもわたしなんて理由になっていなくて、あるとしたら仕事や子どもに対する姿勢とか、自分にはないものを感じることとか、一生懸命さとかが、先生に伝わっているのかもしれない。

わたしが学校で働くことについて矛盾して苦しんでいることとか、わたしの私小説じみたことには1ミクロンも興味がなくて、そんなことを滲み出そうとしてるわたしはくだらなくて、そんなことはどうでもいいから、何ができるか、何をするか、わたしはどれだけのラリーを返せるか、を考えていればいい気がする。わたしが結論を欲しがって好意を露わにしても、先生には迷惑なのかもしれない。

 


午前3時の妄想が、日常を侵してこないようにしなくてはね。

今日は年休5時間、と書いてあって、午後のプール掃除で想像していたあれこれも全部吹っ飛び、先生がいるであろう時間までウロウロしたりしてできるだけ思い出をもらおうと思ったが、先生は時間が近づくにつれ忙しそうになり、ピリピリした感じになり、帰るまでなーんにもなかった。

ただ、子どもが外に出た時、今出て行こうとしているところで、ようやっと先生のクルマをチェックできた。タイミングはよかった。

あと、マラソンの後、廊下の角で出会い頭だった。でも目も合わなかった。

所詮わたしなんてその程度の存在なんですよねぇ。もっと大きな存在感を持ちたい。先生の中で。

今週は疲れきって寝てしまったことが多くて、全然日記をつけられなかったけど、毎晩夢うつつで考え続けてしまっていた。

 


子どもが暴れて、階段を手を引き、気をもみながら格闘していたところ、また先生が駆けつけてくれた。わたしは子どもを抱えながら、どこに行こうか迷っていたんです、でも大丈夫です、と言った。先生は一度離れかけたのだけど、やっぱり戻ってきて力を貸してくれた。先生の手に手をかけようとするので止めたり、言い訳をしたり、子どもを挟んで相談しながら、今日は2人だけだった。子どもいるけど。

保健室まで子どもを運び、先生は授業に戻った。

 


息を切らしながら、触れそうな距離で体を張る、これはほとんどセックスだと思った。

先生に色気があるのか、わたしが好意を持っているのが原因なのか。

その日は夜中先生のことが浮かび、朝までずっと考えた。

 


それが火曜のこと。

今日は、子どもに話しかけて歩いていたら、その子が本を落とした。あぁ、と思って振り返ったら先生が後ろから来ていて、3人混じったような感じになった。そこで子どもは行ってしまったから、職員室に向かう先生とわたしだけになり、越してもらおうと思ってペースを落とすのに、全然越してくれない。耐えられなくなって、振り向いて笑ってごまかそうと思ったら、びっちり付いていきますよみたいなことを言われて、笑わされてしまった。職員室まで並んで、笑いながら中に入ったのがとても恥ずかしかった。先生はSっ気があるのかしら。

今日もそれで胸いっぱい。きっとずっと考えて寝る。

今日は、助けてくれた。

騒いでしまう子どもを外に連れ出そうとしている時、文字通り1人で格闘して困っていたところを、一番に駆けつけてわたしの代わりに持ってくれた。2人で格闘するのもよかったんだけど、そこから続々と助けがやってきて、かなり多勢になり、結局センセイは保健室の入り口で戻った。

また、わたしの困っていたところを助けてくれた。

特支の教室も簡単には空けられないだろうに、すぐに出てきてくれた。先生2人とも出てきちゃった。もう1人の先生はわたしを気に入ってるのを公言しているけど、その先生こそいつも助けてくれる。

張り合ってくれたりして。

全然そんなんじゃないけど。

結果たくさんの助けがあったけど、1人の時はほんとに困ってた。センセイがこなかったら、もっとずっと大変だっただろう。ありがとうと、お礼を言いたかったけど、今日はもう姿が見えなかった。飴を置こうか随分迷って、置かなかった。