今日は朝から気合いを入れて化粧をしたりして、でも会えないとしても、こういう行動に意味があるのさなんて思いながら、準備を楽しんでいた。最近なんだか顔の調子はいい。

行きは嫁が来ていて、でもハロウィンだからな、気になることたくさんあるしななんて思って、でも最近、嫁を見るとちょっとジェラる自分がいる。最初はあんまり綺麗じゃないし、なにより、オカンみたいだ。田辺さんの嫁というよりおかあさんみたいだ。もしかして本当におかあさんなのでは、そう思うぐらい、老けていたし太っていた。でも見慣れたのか、そう太ってもいないし、まぁ綺麗に見える時もある、上品だし、自分よりよっぽど優れている、なんて思って嫉妬しているのかもしれない。

 


でも帰りは、田辺さんだった。

ほんとうに、いつの間にかスッと来ている。直前まで誰もいなくて、下の子と来そうな方面へ歩いていってたのに、いったいどこから来たのか。

近づいていって、他のママと挨拶しているように見えたから、やだな、仲いい人とかできてしまったら嫌だな。なんて思いながら近づいていく。

そのうち、わたしに気づいたと思う、そして中に入っていってしまった。これは、ちょっとテンパっている行為だと感じた。しばらくして出てきた。当然だと思う。まだ終わる時間じゃない、今日はイベントだからなおさらだ。

出てきて、車のこちら側を歩く時、わたしの目を見て、会釈してくれた。しなくてもよかったのに。きっとわたしのただならぬ視線を感じて。それだけなんだけど、今日はもう充分だと思った。わたしも会釈を返した。避けられてはいないかもしれない、そして、これは知り合いになれたということかしらんなどと自分が浮かれていくのがわかった。

それだけなんだけど。でも、これの前が傘で顔を隠された日だったから。あれは9月のことだったかしら。長かったなぁ、会いたかった。顔を見れて嬉しい。

あなたのあの時の表情も、同じ思いであったらいい。そう願って今日は眠る。