朝のトイレを済ませて職員室に入ると、高橋先生が電話をしている。目は全然合わない。けれど予想通り、髪を切っている。

かっこいいじゃないか。僅かにハートが疼く。

わたしの反応しなくなった心臓が、何年ぶりかに、ときめこうとしている。

 


いい。高橋先生にしかできない髪型だ。

あんまり知らないけど、進撃の巨人、みたいな。

 


相変わらず全然すれ違うこともなく、3時間目が始まり、ああ、高橋先生の顔が見たいな、と心の声を最大にして言ったところで、男の人の声で、◯◯先生、と呼ばれる。振り向くとそこには高橋先生、わたし、サトラレだったのかしらと一瞬疑う。

ちょっといいですか、と呼ばれ、呼んで欲しいくせに、何でしょう、なんて勿体つけて出て行って、先生と話すわたし。

プールのことを色々教えてくれて、なんだろう、この高橋先生じゃなくてもいいのに先生に詳しい話を聞く感じ、前にもあったぞ。わたしのせいなのか、先生のせいなのか?

 


その後は必然的にテンションが上がり、ウッキウキと仕事をするわたし。

 


給食の時間、今度は先生が人の給食を持って入ってくる。そのいきさつはいいんだけど、給食を結局下げに来た先生を、ああ、言ってくれたら持っていったのにな、という目で見ていたら、目でなんですかみたいなこと言われて、いや、給食、どうするのかと思ってて、とか何とか適当にしゃべってて、結局先生を見て話したかったみたいな結論を出して、今日はこれで終わりだったか、とにかく舞い上がって帰りスポーツショップで8000円カード切るぐらいの戸惑いはあった。

 


あんまり目を見てくれないんだけど。

明日は今日ほどいい日ではないんだろうなぁー。