今日は3時に目が覚めてしまった。

早く会いたい気持ちでいっぱいだった。

 


職員室に入ると、こんにちはの声に反応して振り向いてくれた。久しぶりの生宮本くん。存在にただただ喜ぶ。でもこないだはわたしの中で気まずい感じで終わっていて、顔を見づらかった。

 


席につくと間もなく校長先生の話があり、コロナ対応の相談が始まる中、離任者へのメッセージを書くという大義をする。チラチラと教頭先生の話すのを見るふりをして、宮本くんを見る。久しぶりすぎて遠慮がわからない。マスクの横顔、格好よすぎる。

 


さて色々済んで、上の会議室へ、出過ぎない程度に手伝いに行く。製本作業みたいなやつの輪の中に入る、自然を装って宮本くんの前に。と、覆い被さるように、先生、今年もこの学校になったんですね的なことを、熱っぽい目で言われ、ああ、こないだのぎくしゃくは、この会わなかった期間で消えてよかった、と思った。歓迎の紙に先生の名前があって、と言ってくれた。そうなんです、とマスクで聞きとりにくいだろうけど照れがあって、ボソボソと勝手に喋った。だいぶ迷ったんですけどね、と小さく言った。

宮本くんは紙を取るペースが早いらしく、後ろの先生に囃し立てられていたけど、黙ってわたしのモタモタしたのに付いてきてくれていた。片手でパッと取れる先生の手の大きさとか手がしっとりしている情報を聞きながら、僕の指は潤ってますよ、っていう台詞が脳内で卑猥に変換され、それ2回も言ってくれたのでしっかり心に録音した。わたしはパッパと取れたり取れなかったり、それを、もう先生に置いてかれないよう必死です、みたいにいじってくれた。雑念が入ると止まるんです、と言うと笑ってくれた。雑念てね、宮本くんのことでいけない妄想をしてる時です。スーパーの袋とかも開けられるって、そうだよね。わたしは無理です、と言った。しれっと腕と腕がぶつかったような気がする。

 


会が始まっても、他の誰でもなく宮本くんしか見ない。ご飯を食べる宮本くん。写真を撮る宮本くん。今日はよく目が合う気がした。

職員室に戻ったら、机越しでもよく目が合った。

ぶつかるのを臆せず、もう目が離せなかった。

 


担任発表があり、机の移動までいた。

隣の先生と子どもの七五三の写真を見せ合っていたのだけど、それを面白く思っていないような、そんな素振りを見たような気がして、ちょっと嬉しかった。

移動が始まったので、机を変えたい話を別の先生にしたら、すぐ飛んできて動かしてくれた。わたしの贔屓目で、他の誰より、わたしのことを第一に手伝ってくれた。

残った宮本くんに椅子も変えたいんです、と言ったら、他の椅子のがたつきを確かめてくれた。嬉しくて申し訳なくて、自分で確かめますと切り上げてしまった。


来年度は、もっと関わりが少ないかもしれない。

席の位置関係は変わらなかった。

今までと同じ距離感で、でも惹かれあってしまいそうな、そんな予感がしているから、希望を持って楽しく過ごそうと思う。変化を楽しもうと思う。