宮本くんの町にいる。

県のキャンペーンで県内の宿に安く泊まっている。

連絡してみたくなりそうでびびっている。

 


連絡したい。この欲求は何だろう。

あなたのわずかな時間を拘束したいわけでもなく、わたしのことを考える時間を作って欲しいわけでもなく、あなたのことで知りたいことがある。気持ちを繋げたい。が近いかな。

 


自分がギャンブル気質であると気づいた。

刺激がどうこうというよりは、賭けをしたり、ダメになってもいいという捨て身の姿勢。しかも賭けに勝てることを望んでいる。賭けに勝つことでの利益を望んでいる。父親似だ、厄介だな。

 


この連絡を取りたいというのもそうで、それによって、事態がいい方に転がるイメージを持っている。ついこないだ、それで自爆して懲りたはずなのにな。今メッセージを送れば、相手も望んでいたかもしれない。聞きたいことが今聞けるかも。

返信が遅いというのは、やはり宮本くんの築いた壁であると思う。将棋の得意な宮本くんだから、先手を打った。打たれたのだと。

わたしが思い切った行動に出たのは、あれだ、教室の外での待機だな、やっぱり。宮本くんの気持ちを知ってしまったと、わたしを守ってくれてると、確信してしまった。あれは、本当のところはどうだったんだろうな。

 


次の一手が浮かばないのだ。どうしたら、自然に関係を進められるのか。

わたしの方は真っ直ぐなのだ。彼氏を作ることに、何の問題もない生活だ。

宮本くんにはやっぱり悪いと思っていて、美しい彼の人生を狂わせることも、ましてやわたしが狂わせられるとも思っていない。期間でいっても自分が望む期間は続かない。宮本くんは普通に結婚して普通にその後の人生を送っていくだろうとも思っている。彼の為、わたしの為にというのは綺麗ごとで、やっぱり人間自分の都合で、人間関係を整理していくのだろう。

 


今の衝動じゃない、別の次元の話題をふるしかない。学校の事は重い。試験のことだって。あんまり人のことをどっさり抱えるタイプではない。

ストレートに誕生日いつですか?とか。

陸上の種目は何だったんですかとか。

来年、学校かわるんですかとか。

将棋教えてくださいとか。

わたしが聞きたくてずっと溜めてること。

話す時間が少ないから、もっと一緒にいたい。そのための時間を作りたい。すごい思いきってお茶に誘うとか。ボランティアに誘いたいとずっと思ってるんだよなー。海ごみゼロフェスティバル、明日電話してみて、2人参加オッケーなら聞いてみようかな。

下心丸出しだよなぁ。