子どもが学校を早退してきて、これは罰に違いないと、ごく真面目に世話をしているけど、先生のことが浮かんでは、ヨコシマだと気づいた気持ちを、今はちょっと振り切ろうとしている。

 


先生が帰ってきた。

わたしが帰るまでに、帰ってきてくれた。

顔も見れなくてもいいや、と思っていたけど、書類を書いては、バタバタと騒がしくなる職員室の入り口をソワソワと見ていた。

入り口と反対側の先生に話しかけられたので返していると、おかえりなさい、と聞こえ、それに返事をする声が高橋先生のような気がした。

振り向くと、お局様と話す先生。先手を取られたなぁと思ったけど、内輪の内容で、事情を知った話ぶりで、まぁ、距離的にも入れそうもないんだけど、セカンドシングルってなんだ、元気そうってなんだ。高橋先生、確かにちょっとたくましく見えて、髪型もちょっとまた違って、全く知らない人だったけど、おつかれ様です、とやっと聞こえるような声で言ったわたしの挨拶にもなんとか反応して返してくれて、とりあえず… それで終了させます、といった感じで今日を終わらせた。

顔を見れるとは思ってなかったから、それでいいや。

 


一方で、不倫の漫画を読んで、やっぱり不倫の終わりには必ず悲しみがあることを思い出したり、わたしには無駄にすることなんてもうないような気がしてるけど、やっぱり、何か大事なものを犠牲にする行為であることを再認識して、そして今日の先生の手の届かない感じ、高木先生とも仲良くなっただろうな、とか、知らない先生のあることへのヤキモチとか、結構色んな負の感情がもう湧いてきていて、何もない状態でこれなのに、一瞬の快楽はあっても精神の安定はまた遠くなることは、ちょっと逃げ腰であって、今年の本来の目的を見失いそうになってる自分も知ってるし、一旦、冷めたと思おう。としている。

 


あの、優しい先生も好きだな。

そもそも、だわ。そもそも歓迎会で、あの先生がいてくれてちょっと楽しくなったんだ。困った時に、あの先生が助けてくれてる時の安心感。でも、高橋先生も駆けつけてくれたんだよなぁ。あの時も嬉しかったな。