春の嵐。
先生の波乱の幕開けなのだろうか。
わたしという太陽がいなくなり、ああ、異動することを先生に伝えた日、急に先生は苛立った、不安からきたのかもしれない、今はどんな心境でいるだろうか。きっと今から引越し作業で、たぶん仕事もたくさん行くだろうし、学生のような生活はもう終わりなのだ。わたしに守られていたことを知るだろうか。チョークホルダーがもうちょっといいのをあげられてたらな。また先見の目だ、あちこち学校を移動する先生に、きっと役立つ。さすがわたし、宮本くんのヒーローだぜ。
ちょっと検索しても、女の人にヒーローなんて言葉めったに使わないみたいだし。
わたしは言われたかった。先生はそう思った。
それでいいんだけど、意味を知りたくはあるよね。
結局、何も返してくれなかった。
何ひとつ、物は。
あのバレンタインのブラウニーだけだった。
だからひとつに大義を持たせてしまう。
お返しがないのは、次にお返しするまでの繋がりのようにも見える。
いや、いつか書いた、もし運命の糸が繋がっているなら、きっとまたどこかで巡り合うさ。
昨日の今日だしね。今日はやっぱり寂しい。
先生への手紙には、寂しいって書かなかった。
先生はカードに寂しいという言葉を使ってくれた。他の人にも書いてるのかもしれない。だけどそう考えたらきりがないから、わたしに対しての寂しいは、言葉どおり受け取っておきたい。少しでもそう思ってくれたのだろうか。終わり2日間ぐらい、楽しかったね。ラインのネタはつい浮かんでくるけど、迷惑だと思うと送れない。
先生は今ごろ安心してるんだろうか。
わたしがいなくなってせいせいしてるかな。
わたしだってそうなるはずなんだけど、いつも土曜日は伏せってしまうように、今日は立ち直る必要もあるから、どのくらいになったら元気でるかなって思う。
いつもみたいに、しばらくほっとこ。ってなったらいいのに。