今朝はよく寝ていたのだけど、下の子の寝相で4時半に起こされ、少しウダウダしていたものの、お弁当作りの時間も近かったので起きた。

時間に余裕があるおかげで丁寧にお弁当が作れ、落ち着いて仕事に出れた。

のだけど、なんかお腹の調子が悪かったり、気分悪くなってきたり、緊張してるのかな、なんて思っていた。ちゃんと渡せるかな。嫌がられたりしないだろうか。どう思うだろうか。など。

 


午前中はいつもあるはずのコミュニケーションの機会も逃してしまいがちで、昼からに期待をかけてご飯を食べて職員室を飛び出す。教室にいて、こんにちはと言ってくれた。今日、本を渡されるとも知らずなんて思いつつ、いつ渡そうかとキョドキョドしていた。

先生がPC室に行くことになったので、ここだと腹を決める。しかしここで、今度はわたしの靴下に穴が開いていることを発見し、今日の予定が軽く崩れていく音がした。

気を確かにし、遅れた子と一緒に来た先生を待って、PC室内をうろつくそぶりをする。職員室ですることないのか聞いたら、ちょっと溜めて無いんですよね〜と言った。いてくれるつもりなのも嬉しかったし、フランクなのも嬉しかった。子どもがPCに向かいだしたタイミングで、これ、と袋を取った。

なんですかという(たぶんそう聞こえた)宮本くんを前にして、ガサガサと本屋の袋の中から本を出して、これ知ってますかと聞くと、知らないというのでしまい直して、これよかったらと差し出した。教採用に買ったんですけど、もう処分しようと思って、というわたしのボソボソした言い訳をうなづきながら聞いてくれて、ありがとうございます、連休中に読みますと袋を受け取ってくれた。え、貸してくれるっていうことですか?と丁寧に聞いてくれたので、いえいえ、あげますあげますと押しやった。いらなかったら処分してください、とも言った。いいんですかと袋を覗いて、何か入ってる、と本を出して、本に挟まってしまったスティックのコーヒーを見つけて、あ、よかったらそれもどうぞ、と言ったら、気づかいがすごいみたいなことを言ってくれた。前からこれもあげたかった物を、迷って突っ込んだ。迷ったけど入れてよかった。ここまでを子どもの前で、後ろめたいことは無いと、堂々と渡したつもりだった。頭の中で何度もイメージしたことだもの、想定内に収まったと思っている。

 


宮本くんにしては珍しく巡視もしないで机に座ってすぐ本を読み出してくれた。それはすごく嬉しかった。熱心そうな顔をして、真面目に読んでくれていた。百点満点の解答だと思った。

 


わたしはそれを邪魔しないよう、今日は物陰に隠れて本を読もうと思ったら、顔が見れないのがやっぱり寂しくなってきて、途中で移動した。先生から見えるところに行って、余裕を見せたつもり。近くにいた時、男の子に後ろからホールドしマウスを持つ手を重ねカチカチしており、それはわたしにしたサービスショットであった。ああいうのはわざとなのかなー、たまにある、宮本くんのサービスショット。しばらくすると本をガサガサと袋に戻したと思ったら、お迎えに来た子について行った。

結構時間が経って戻ってきて、ほどなく終わりの時間になり、帰るタイミングで先生が電話に出てしまって、わたしは子どもたちとささっと帰ってきてしまった。机の上に置いてあった本、忘れないで持って帰ってくれただろうか。

その後も教室に来ることなく、でも終わり10分前くらいに、チェック表に⚪︎をつけて顔を上げたら教室に来てくれていた。窓からだけで、しかもずっともう一人の担当の先生を優先させていたのがわかったけど、そこで帰りもいいと伝えられたのかもしれないけど、ちょっとだけバツの悪そうに戻っていったように見えた。わたしは先生と話したかった。先生もそうだったらいい。掃除も来ないし、玄関にも来なかったし、帰り際も会えなかった。連休前だから会いたかった。連休、帰るんですかって、決めた台詞を言うことができなかった。でもそれは、連休の予定をひとつだけ教えてくれたから、これでいいと思った。わたしの本を読むって言ってくれたじゃないか。

 

会えるのはちょうど1週間後。

もう飽き飽きしちゃった。というのはあなたのこと以外つまらないと感じているのかもしれない。

一ヶ月後とかよりましじゃないか。

 


もう1人の先生が、宮本くんが借りていた本を読もうとしていたのが気になったが、結局読まず先生は職員室に戻り、教室で1人になった時、宮本くんが新しく持ってきただろうブックカバーがつけられた本を覗いてしまった。池井戸潤の本だった。前に読んだって教えてくれた作家の本。小説を持ってきたんだなあと思った。ノウハウ本みたいなのが好きなのかと思ったけど、わたしに合わせて小説にしてくれたのかなと思ったり。

わたしも本を大量に読む方じゃないから、読書で盛り上がれるか謎なんだけど、今度話が出たら、今度こそ宮本くんの話を聞きたいな。