4日間は早かった。

明日こそはと思いながら自分の周りの仕事を片づけていると、時間になってしまい、体が半分に裂かれるような気持ちで学校を後にする日々だった。

 


2日目は体育館を出る時に目の前にいるのに一瞥もくれなかったのが納得したものの傷つき、それで開き直った残り2日は、しっとりと目が合ったりした。

3日目はわたし的にもいいと思っていた、明るいTシャツのコーディネイトがたぶん宮本くんも気に入ってくれて、体育館に入るなり好意的な視線を向けられたりした。でも長く見つめあっているわけでもなかった。終わりに体育館の窓しめを手伝おうとしたら、最近急に会話が増えたミドルエイジのガイに遮られ、やり取りしていたら僕閉めますよと声をかけてきた。その日はトイレ掃除が早く済んだから、各教室に回ってお手伝いを聞いてまわった。宮本くんのところにもまわった。特に何もなかった。

今日も体育館までは一切会わず、というか子どもを保健室に連れてく時に一瞬見た。今日は赤いシャツを着ているのは窓から見て知っていた。県外から1年だけ来てる若い女の先生を後ろから見かけて、宮本くんに好意があるんだろうなと思った。そりゃあのビジュアルならねと思うけど、ハイスピード女子なので、交流の機会を自分から作ってるのがわかる。焦って張り合うみたいなことはしないけど、さすがに歳だから。仲良くなったら嫌だなとは思っている。わたしもまだ全然仲良くなっていないのに。

やはり体育館でしか同じ空間にいれないけど、今日は比較的目が合った気がする。遠くからずっと。わたしはわたしの決めた、学童の子たちの横にいくんだと、じりじりと後ずさりしながら視線を外せないでいたけど、わたしを見てるような気がしてしまうんだな。先生たちがぞろぞろ体育館を出ていく時、いつものように窓を閉めに上がろうとしていて、その時にも目が合うから、向こうを閉めてこようかと迷ったけど行かなかった。ハイスピード女子が行きそうだったのに気づいたけど、後にした。張り合ってしまわないように。

職員室に戻ると、案外早く戻っていて、わたしは今日の真っ白なTシャツを綺麗に着れているのを見て欲しくて、見てる前で羽織を脱いだ。その行為に自分で満足していた。今日は赤と青なのを喜んでいた。並んで歩いてみたかった。

その後北校舎に向かったら、女先生とすれ違ったので挨拶していると、宮本くんが後ろから来て通り過ぎた。来てくれてたんだなと嬉しくなった。

 


帰り際、職員室で会えたのでさよならと言ったけど、あまりぱっと返ってこなかった。すれ違ってからお疲れさまですだかさようならだか言うのを聞いた。会う時の挨拶は元気いっぱいなのに、さよならはなんだか歯切れが悪い宮本くん。素直な気持ちの表れであるならいいな。

 


月曜からは体育館もなくなり、さらに見かける機会が減る。

 


そんな中、高橋先生とよく話す。

昨日は給食のこと、今日は机の上のほうきとちりとりの折り紙のことに触れてくれた。1年生の子にもらったことを聞いてもらい、他にもハートなどもらったことを自慢してしまった。そしたら、めっちゃ好かれてますね、愛されてますね。と愛という言葉に直してくれたのがわたしは気に入ってしまった。