今日は特に接点はなかったんだけど。

作れるはずの接点も、捨てることが多かったように思う。なるべく煩悩に浸食されないように過ごした。

3階の窓から、宮本くんのクラスが見えたのだ。

前は同じ階でもよく見えなかったのに、斜め上からはすごくよく見えて、隠れたラッキーが嬉しかった。でもそのせいでたぶん3分に一回ぐらいは窓の外を凝視しちゃって、自制が効かなかった。それに背が高いせいか、顔はなかなか見えなかった。いつも白い時計が、今日は黒いことまでわかったのに。スーツの時は、黒い方をつけるのだろうか。

 


やっと見たのは体育館で、入ってきた彼を見たら嬉しくて心臓がドッドッと鳴った。

 


帰り際、相変わらず教頭先生に伝わらない問答をしていると、内線をかけていたらしい宮本くんが隣に立ってきて教頭先生に話しかけた。前に先生が担任していた不安定な子が、下校後学校に戻ってきてしまったということだった。

隣でその子のことを話す彼を見て、微笑ましかったので笑った。宮本くんもこっちを見てくれた。その子の仕草を真似して話を続ける宮本くんが可愛くて、また見つめて笑った。宮本くんも笑ってくれた。わたしの反対隣にいた校長先生に、ちょっと付いてったって、と言われて動いていたけど、後になって、隣に立たれていたのが随分刺激的だったみたいで、ずっと残った。隣。宮本くんの横にいたい。排卵日が近いからかなぁ。