今日も大それたことを、もう本当にする手前で、まだ今日が終わるまでは、どうしたってラインで、とか、無茶なことをしてしまいそうで、自分が怖い。

 


自分の欲を宮本くんにぶつけずに済んだ。

これは意味のある無なのだ。

かりんとうをあげたくて、先週の体育のお礼を、この金曜にしようとした。言い訳はなんでもいい。あなたと繋がっていたい。またあなたからメッセージが来るかも。来ないかも。あなたに可哀想だと思われるかも。愛されない惨めな人だと。そんな姿をさらけ出したくなかった。

今日、あなたからアクションがあったらまだ希望をもつつもりだった。無くてよかった。

行為自体は大したことじゃないけど、いい加減しつこかった。今ごろ、今週は何もなくてほっとしているかもしれない。

 


不登校の子を送って、教室の横を通れた。

今日は何色なのかも知らなかった。

今日は紺色のポロシャツ。ほんの少し、横を通るのを意識しているような気がした。全くの無関心ではないと、思いたかった。

 


わたしに慣れて欲しいかな。好意のないことに。

わたしのは迷惑な気持ちなんだろうか。

振り返ると、そんな変なラインもしてないしちゃんと返事もきてるけど、開封が遅いんだよな。迷惑、だとか、嫌悪、だとか、面倒、とか、牽制、とか、察して、とか、そもそも彼女、とか、その空白の時間の間に、ありありと現実としてわたしに迫ってくる。それは宮本くんが意図してるところに感じてしまう。

 


気を張りすぎる毎日は疲れて、今週は食事作りがまともにできなかった。まあ、今週は寄り道ばかりしていて、体力も時間も使ったのだけど。

今日もご飯作りに重い腰が上がらない。

来週には回復して、なんとか、かりんとうをささやかにあげて、できれば夏休みの話に触れたい。でも接触する機会なんてないんだろうな。

 


思えば、ドーナツの件から、宮本くんは警戒しだしたかもしれない。警戒というのは、わたしに気持ちを向けられることと、宮本くんが振る舞いとして好意があるように受けとられそうなこと。それらを、それ以来封印したような気がする。

そうなっては、追い風をたてても引いても何をしても無駄で、わたしは気持ちを無くして無になるしかない。お別れまで、ずっと。

 


唯一、本当にささやかなことで、喜んだことは、わたしのマグカップに、宮本くんのマグカップが横づけしてあって、その取手が絡んでいた。だからわたしは使ったら、またそこに戻して、取手を絡ませておいた。洗って濡れたマグカップの、意味が伝わったらいい。宮本くんのカップが、少し濡れた。

 


この週末に生活も立て直したい。

やる気が起きない。

もう妊娠しちゃおうかとも思う。

だんなも大事だななんて思う。

宮本くんとは何でもなかったし、何にもならないなと思う。

関わって、酷い目にあったような気がしてしまう。何もなかったのに。本当に、全く。

何にもなかった。