衣装を合わせに行き、そこそこ合う。

下黒の、先生は赤ポロで、わたしは青ポロ。

合わせに行ったのでさほど感動もなかったけど、宮本くんは教室に入るときも出るときも、わたしに対してノーリアクションだった。

 


今日はなんだかいろいろ感じるところがあったんだけど、時間軸が自分の中でごちゃごちゃしている。

 


2限が終わってマラソンのために出ていくところに、宮本くんと、今しがた入っていたナイスミドルの先生がいて、位置的にその先生の方が近くにいたのもあって、さっきはありがとうございました、とナイスミドルが言う。宮本くんは聞いている様子だった。わたしはいいえ、と返して、火曜2限、どうしましょうと言うと、いえいえ、僕が時間割変えます、と言う。その会話のせいで宮本くんと言葉を交わす隙はなく、揃って出ていったのだけど、遥か遠くで、目が合っていたような気がしていた。わたしは距離をいいことに、顔をそらさなかった。向こうもそらさなかったような気がする。児童玄関に気づいて、子ども達を追いやってから定位置に走っていった。

保健室でバタついていると、前を通り過ぎた。首に汗をかいていた。グラウンドで走っていたのか。

 


4限目、1年生の体育に入っていると、理科で宮本くんのクラスが外に出てきた。少しでも宮本くんのためになったらいいなと石灰を詰めていた直後だったから面食らって、しかも皆にこんにちはと言ってもらう。グラウンドで僅かに眺めて過ごせたのが嬉しかった。2回ほど、走ってくれた。美しい宮本くんのフォーム。なぜ、とも思ったけど走り方好きだから見れて嬉しい。

 


掃除の時間、Sくんを巡る女のバトル。後の宮本くん登場で、さっさと身を引くわたし。若干不愉快だったけど、それはもう少し子どもと話したかったからで、身を引いたのは嫌な心を剥き出しにしたくなかったから。

 


パワーアップは行かなかった。と思ってたら、なんかイベントのようだった。どのみち行けなかった。

 


あれは5限後、職員室に戻っていると、体育だった宮本くんが職員室から出てくるところみたいで嬉しくて、近寄っていくと、ドアから出てきた宮本くんは話しかけてくれた。さっきありがとうございました、っていうので、いえいえ…と謙遜しようとするも、心当たりがないので、?という顔をすると、1時間目、というので、あっ、1時間目のお礼を今、なんだ、さっきの掃除のことかと思った。と思いながらお礼を返した。

 


ナイスミドルの先生のを見た時から、一限目のお礼をしようと構えてたんじゃないか。

タイミングのずれたお礼が、気持ちがこもってる気がして、嬉しかったのだ。ずっと後になっても嬉しかった。