今日はたくさん泣いた。

最初に教務の先生に泣かされちゃったからな。

あれできっとここ数日張りつめていた心が緩んで、ちょっと泣き飽きたほどだった。

 


先生にも苦手そうにお別れの儀式をしきってもらって、わたしはもう流れに身を委ねるしかないのだ。写真はどうしてくれるんだろう。明日の花束は、2-1の子がしてくれるんだ。嬉しいな。誰が渡してくれるんだろう。喧嘩しないといいな。

 


頭がぼうっとして、全方位に考えが巡らない。

あいつめ、新しい場所でもがんばるって言わないととでも言いたげだったな。その通りなんだけど。

 


今日は指輪をしていなかった。

そのために、よりいつもの宮本くんに見えた。

どうして今日はしてなかったんだろう。

昨日過ごしにくかったんだろうか。

 

 

 

給食を食べていたら、先生が帰りの会に誘いにきてくれたのだ。なんだか照れくさくて、それまでろくに会話をしてなかったので、なんだか言葉が出てこなかった。先生の机の前で、事務員さんにお花を受けとってほしいという話をしていて、主任の先生にあげる花が届くんだ、と言っているので、うーん、わたしの名前はわたしの手前外したのかな、とか、主任の先生宛てだとして、それって個人で注文して買うんだ、と僅かな疑問を感じていた。

後で事務員さんが教えてくれて、みんなでお金をカンパして買った花だから、と聞いた。この忙しい時期に、みんなの家庭のお金を徴収するという荒技、先生はできるのか、と思って。計画的な話なのだろうか。それともカンパという建前の、やっぱり個人的な買い物で、単に同学年からのお祝いを花にしたのだろうか。それならそうとみんなを巻き込まず、そのまま事務員さんに伝えてもいいじゃないか。ああ、わたしが聞いてるから、主任の先生にだけあげるのはしょうがない、とわたしに思ってほしいのか。

 


花束か、嬉しいけど寂しいな、と思うのだ。

枯れてしまうから。

だからわたしじゃなくて嬉しいような、寂しいような。

 


じゃあハグはいつしたらいいんだろう。

先生のお返しが何かしらあった時。

なかったら、最後自分からいくよね、わたし。

 


給食の時、先生、最近黒マスクですねと突っ込んでみた。予想通り、白がなくなったから、と言い、子どもたちに不評で、というので、いえ、カッコイイですと言ってみた。

 


そうだ、放課後、みんなの見送りを終えて引っこんだら、ほどなく後ろから先生が歩いてきた。微妙な距離になったところで振り返ると、明日は先生にもオープンホールで花束贈呈があります、という。嬉しかったけど、あれはわたしに花束の準備がないことを詫びていたのかもしれなかった。

 


どうしたって盛り上がっていく、週末に向かって。

あまり上がって、春休みどん底で、辛い思いをするのも辛い。

だからきっと新しい学校の連絡を気にしてるんだな。次がほしいから。