今日はあまり楽しくなかった。

卒業式も感動できなかった。用意したハンカチは乾いたまま。校長先生のお話で、2回ほど詰まったところがあり、その想像でちょっとウルっときたぐらいだった。校長先生の声も話し方も好きだなぁ。でも来年度の練習、と顔を赤くしたような校長先生。もしかして来年の退職の時の、違う祝辞でも読んでしまったのだろうか。

 


今日落ち込んでいるのは、主に宮本くんがらみだと思う。

あんまりいいことなかった、というよりは、嫌なことが多かったのかもしれない。

お局さんと一緒に受付も嫌だし、わたしにやたら冷たい婆先生も嫌だし、あのマウント女先生もいちいち嫌味だし、爽やかな先生もたくさんいるけど、写真撮影の時の、あの全然声がかからない時間も嫌だ。どこの学校にもあるんだな。無駄に寂しくなる。わたし、いつも1人になるな。教務の先生は、なんて何でもできる人なんだろう。

職員写真。皆の前で屈託なく笑う宮本くんが、なんだか寂しく映った。

イベントは基本好きだけど、卒業式は嫌いかもしれないな。部外者って感じ。もしこの先この学校に勤務になっても、楽しくないかもしれないという未来が見えたりした。というかこの1年のイベント、ずっと部外者だったな。いつまでも仕事も場所も物も覚えない。関わらないということは、こんなに感情が動かないということなんだな。

 


今日は白布を持っていたら、後ろからさっと来て片方持ってくれた。一緒に白布畳んだ。指と指が触れるつもりでいかないと落とすから、ぶつかるのを恐れず重ねたのさ。

今思えば、その直後に、他の先生に気のつかないと諭された辺りから変だっただろうか。その白布イチャイチャをした後、もう1人の若い女の子の先生が、外したゴミもらいますと言って集め始めた。それを見た主任の先生が、ほら、こういうとこよ!僕がそれもらいますって言わないと!と皆の前で宮本くんをいなしたのだ。わたしの横でくどくどと説教され、本当にバツの悪そうな顔をする宮本くん。わたしは、レクチュアですね、と小さな声でおどけたのだけど、その時例えばわたしの手伝いだけを考えていた宮本くんと、全体の片づけを考えた女の子、その差は、宮本くんにとって悔しかったのだろうと、夜になって思った。

その後紅白幕を一緒に畳もうとしようが、カメラを手伝おうとしようが、クッキーを配ろうが、わたしを避けているようだった。それも過剰な自意識なのかもしれないけど、後からそれに気づいたら、やっぱりわたしから離れたんだと思う。

 


さて今日はホワイトデー、安定して何もなく、昨日あんなに燃え上がった宮本くんへの気持ちも、押さえられる範囲内である。いろんな先生に牽制され嫌味を言われ、ちょっと警戒してる自分もいるし、今日は単純に寝不足だし疲れたし、何より何も繋がりがないから、平常心でいられるし昂ぶることもないのだ。