とりあえず今回の話をお断りした。

宮本くんの顔を見たら絶対今の学校いれる方選んでしまうから、その前に決めようと思ったのに結局17時数分前にやっと返事した。

迷ったな〜〜〜こんなに迷ったこと人生でなかったわ。完全に5分5分だった。

 


今日はね。眼鏡で来てて。

前、一瞬見かけた時に何っ!て思って結局その一瞬だけだったから、じっくり見れてわたしは満足。だけど、今日はあんまり交流ないよな。なんて思ってたら、お昼、カップラーメンにお湯を入れにいこうと給湯室に入ると、すぐ宮本くんは入ってくるんだ。かまってちゃんのわたしはそういうの相当嬉しいのね。そこで眼鏡のことを突っ込んだのに、テンパって褒めるのを忘れたよね。わたしたぶんよく褒めてるから、あれ、褒められないってことはよくなかったかななんて思ってしまってないかな。いえ、カッコよかったです!めちゃくちゃタイプです、とか思ってたけど、遠目で見たら先輩ぽいなとちょっと思ってしまって、それでかと思ったら、その時は視線避けてしまったよね。先輩より、超絶スタイルいいけどね!

モッチッチの新作のラーメンを食べるのを楽しみにしていて、それに触れてくれて、CM誰ですっけと言うのでローラです、と言った。

箸を忘れた、と言ったらちょっと気にかけてくれて、でもかまってちゃんを隠したいわたしは、急いで探して、ありましたなんて騒いで机に戻ったのだった。

嬉しかったけど、机の近くの先生でいろいろ話していて、宮本くんの家庭の話やいろいろ、なんだかあんまり話して欲しくないような内容を、聞こえる部分もあったりなかったり、結局はちょっぴり寂しくなって、食事を終えた。高橋先生は全然目も合わせてくれないしねー。

 


さて準備で動く時間になって、さっきのことや、答えをまだ出してないこともあって、粛々と働こうとしていた。宮本くんはずっと紅白幕をしていたし、わたしも定位置で仕事がずっとあった。

廊下をいくと、宮本くんがくる。顔見れて嬉しいなーぐらい思っていると、ハサミ持ってますか、と話しかけてくれた。今持ってないけど職員室にある、というと、ほんとですか、というので渡すもんだと思って職員室についていくと、通り過ぎる宮本くんの机に2本もあった。戸惑いながらも、約束なので持っていく道すがら、三脚を持っているので何か手伝いますかと聞くと、ほんとですか〜なんて言う。ついていく間、今日、返事しないといけないんです、と言った。後から考えたら主語も何もなかったのに通じた。でも先生がなんとか…ごにょごにょ言ってたから、決められないんです、と言った。本当に決められなくて、もう少しで宮本くんならどっちにしますか、なんて無益なことを聞くところだった。でもこれも言うチャンスに恵まれてよかった。

器具庫に入る。暗いし近いしここじゃなかったかと思って出ようとすると、こっちですと言って、2階の放送室に上がっていった。え、そこは暗くて密室じゃあ、なんて思ってると、放送室はリハーサル中で、女の先生が1人いた。

そこも通り過ぎ、ギャラリーに出ていく。

真ん中ぐらいまできて、ここにカメラを固定したいんですよね〜と言う。

もうね、公然の前で2人きりになっていることに、情報がなかなか入ってこないんですよ。

そ、そうですかなんて言いながら、これわたし手伝える?とか、わたしが立候補したものの、なんて疑問が秒で湧いてくるけど、こうしてはとか、あれがどうなりたいとか、じゃああっちはとか、相談しながら、宮本くんも納得のいく固定ができた。その間の穏やかな声とか、どう考えてもエロい立ち位置とか、甘い香りとか、とても神秘的な時間だった。それまでのオラオラした宮本くんも、それとのギャップがよい。

その間、そういえばなぜだか若い子が上がってきて、写真を撮ってきた。なんだかまずいことをしているような気分で、うまく触れられなかった。あちこち写真で記録してたのは知ってたけど、今、上がって、する?ヤキモチ、とかかしら。

そんな見張りはあったのだけど、一緒にいるの、気持ちいいな〜。なんて完全にピンク色に染まって下界に降りてきたのだけど、いけすかないだろうな〜。他の先生方はどう思ってたのだろうか。やたら不自然な組み合わせを。

 


わたしだけなのだろうか。一緒にいると嬉しかったり穏やかになったり、気持ちよくなったりするのは。それが続いて欲しいと思っているのは。

 


そんな日の後に、学校を去る選択をするわけないわな。

わたしバカになっていってるだろうか。

ほんとに今日が終わるまで、これが最後かもしれないと思って大胆にとれた行動が、行動療法になっているのか、大胆だという意識が鈍くなってきている。

もちろん今後も今の学校にいれる保証はない。くれぐれもお願いしたけど。これで学校変わっても恨みっこなしだしな。そしたらそしただ。まだ試験の話も終わってないしな。

いれないかもしれない保険が、講師の道なのかもしれない。

 


お願い、神様。