今日の5時間目はまた来てくれた。

 


20分ぐらい経ったところで、今度は反対から教室の横を通った。目で追ってもこちらを見ることはなく、通りすぎるばかりだったけど、向こうに行った時に、壁に隠れてしばらく立っていてくれてるのが鏡に映って見えた。

宮本くんは鏡に映っているのに気づいてたんだろうか。教室の外で、その時間は幸か不幸か静かだったんだけど、じっと様子を伺ってくれていた。

ほどなく3階に向かったけど、子どもが階段から降りてきたのについて降りていった。3階には行っても行かなくてもよかったんだと思う。

担任の先生が、授業に入られるのを好まないのも、あの感じだと知っているかな。知っているといいな。

 


もう嬉しくて、子どもにも優しく接しちゃったよね。その行動は、誰の為なのか。昨日、帰り際ちょっと冷たくしちゃったような、冷たくされたような、そんな気がしていたけど、ちゃんと考えてくれてるのがもう十分だった。

 


今日もあまり会えなかった。

一斉下校の木曜なのに、玄関でも全然目を合わせることもできなかった。わたし以外の人と話したり、近づいたりするのを見るのも嫌だった。

でも、空き時間はわたしのことを考えてくれてるのが多いかもしれないのが救いだった。思えば去年からそうだった。

 


その時に、子どもが騒いでくれたらいいのに。

そんなことを思ってしまう。

わたしのピンチに備えてくれている。

そう思ってしまっている。

今日は2人待機の教室から、窓から宮本くんが授業しているのが見えて、ずっと覗いてしまっていた。あなたの形だけで、こんなに惹かれる。人間って人間に恋するんだなと、しっとりした梅雨の雨と緑を間に、見つめていた。