今日は掴みにいった日だから。 

 


明日はそういえば避難訓練で、3限に入らなくなるかもしれないので、今日渡した方がいいことに気がついた。図工2時間のどこで渡そう。やっぱり最初だな。と思っていると、2限後、体育上がりで職員室に戻ってきた先生。出だしこそスルーされたものの、そのうちこちらを見て寄ってきて、今日、3、4限いいんですか、と話しに来てくれた。はい、大丈夫ですと言うと、助かりますみたいなことを言う。こちらこそお願いしますと切りあがろうとする場を、先生、と呼びとめて、朝からずっと考えていた渡す時の言葉を言った。これ、もしよかったら使ってください、と机の上の袋を取って両手で差し出した。先生はそんなに照れもせず、わ〜だかえ〜だか言ったような、ありがとうございますと目を見て受け取ってくれた。わたしが1個買うのも2個買うのも値段が変わらなくて、という言い訳を聞きながら、なんだろうみたいな雰囲気で、一瞬テープを剥がそうとして、手を止めていた。主任の先生が入ってきて先生に話しかけ、先生はプレゼントを机の上に置いたようだった。後で見ると、机の上にきちんと乗せてあって、それは帰りまでそのままだった。5限の空きにでも見て、下校の時か明日にでも感想を言ってくれるのかなと思っていたけど、空き時間にも見なかったみたいだ。5限は音楽室にまでついていって、帰りは支援に入ってるクラスを横切っていった。珍しい行動、何だったんだろう。

今日ラインでもくれるつもりなんだろうか、なんて期待したりして。

手紙でも入ってるかと思ったかしら。そんな皆の前で渡すものに、ラブレターなんて入れませんよ。

 


渡すもの渡してほっとして、満を持した図工は3時間目はなぜか特支の先生もいて、誰かの様子でもチェックしてるのかと思ってたけど、刷りを手伝っているのにちょっとだけジェラシー。わたしは彫りの支援なのに… と思いつつ、できるだけ楽しい雰囲気づくりをがんばる。休み時間にあれが控えめに来る。4時間目は2人だけ。3限目にど怒りした先生にびくつきながらも、たまに合う目や先生のエプロン姿を見ながら過ごす。終わりに、白いエプロンで先生チャレンジャーですねと突っ込んだら、カナダで買ったエプロンだって教えてくれた。もういらないからに何だか引っかかったりした。漢ドをしだしたSくんについていたら、何だか温かい目で見られていた。

結局、汚れる気マンマンで参戦した刷りの時間は、一触れもすることなく終わったのだけど、先生はたぶん手伝い入らないタイプっぽかったし、とりあえずすごく感謝されたから、お役に立てたみたいでよかったのだ。先生の机に貼られた新聞紙を剥がしていたら、一緒にしてくれた。していいと言うので教室をざっと掃除し、その間手を洗っていたらしい先生が何度も、助かりました、1人じゃ無理でした的なことを、最近よくするくしゃっとした表情で言うので、わたしもまんざらでもなかった。彫ってる子もいるバタバタしている教室に、いて欲しかったのかなという感じだった。いてよかったみたいで、よかった。

 


ラインもプレゼントもなかなか開封しない。

明日もずっとスルーだったりもするのだろうか。

それだと、あんまり興味のない物だったかな。