今日はちょっと惚けてしまった日だった。

 


1限には入らないことになっていたので、クラスの横の階段を上がる時に聞き耳をたてて、ちらっと見たら姿は見えなかったけど元気そうな声が聞こえたので、一安心して1年生の支援に入った。

 


業間に、1年生のなわとびを見に体育館でも行こうかなぁと思ったら、今日は3年生は職員室辺りの廊下で、先生の姿が見えたので、思わず渡そうか迷っていたシルコットを掴んで廊下に飛び出した。

先生はしゃがんで子どもの縄跳びを直すところで、あっと思う間にタッチの差で5年生の先生が手伝ってしまって、でもわたしの存在に気づいた先生はこちらを見てあ、先生と反応してくれたので、わたしも先生、大丈夫ですかと近づいて、右手の親指に包帯が巻かれているのを見て、あぁ右手だったんですね、と悲痛な声を出してしまった。人間の記憶なんて本当にあてにならない。

これ、お見舞いですと言ってシルコットを渡した。お見舞い、なんだろうという風に受け取ってくれた先生に、手とかあんまり洗えないかなと思って、というと、いつも気つかってもらってすいません、と嬉しそうな顔をしてくれた。痛いですか、なんて聞いて、今はちょっと痛いです、と苦笑いし、今日また病院行きます。と教えてくれた。5年生の先生は縄跳びを直して、お礼を言われるでもなく向こうに行ってしまった。きれいに治るんですかと言ったんだったか、それでもう一回病院ちゃんと行きますだか言った。昨日も子どもたちちゃんとしてました、先生のこと心配してましたよと伝えて、話してる間、先生はあの、ありがたい時にするじ〜んとした表情で、優しい視線をくれていた。

周りはずっと子どもたちが縄跳びをしていたから、タンパク質摂ってくださいねという言葉が聞きとってもらえなくて、た、ん、ぱ、くと先生に言う、タンパクの話を大きな声で先生に言わなければいけない辱めを受け、でも、たくさん食べます、と笑ってくれた。

先生待ちの先生が増えていて、何事だろうと見られていたようだったので、その辺で切り上げた、話は何度か切り上がりそうになったのだけど、話が続くとすぐ寄り添ってくれるのがよかった。

縄跳びが終わって職員室に戻ると、先生の机の上にシルコットが置いてあった。前にプレゼントが置いてあった位置だったので、嬉しかった。皆から見えるところなのがよい。もしわたしが誰かに物を貰ったら、果たして机に置いておくだろうか。それはかなり自慢したい時だけどな、なんて。

 


先生との交流はそれぐらい、5限後、体育を終えた先生があれに話しかけて職員室に戻ってきたことに気づいて、わたしは難しい顔をして読書を詰めていたところで、Sくんが落ち着かないという不安か不満を、あれに話しているのは、わかる気がするけどやっぱりちょっと寂しかった。あれは結構聞き上手なのだ。職員室に入ってきた子どもに気をつかってか、話は広がらず終わったけど、聞いてる分には感じなかったけど、もしかしてあれの対応がそっけなかっただろうか。頭をかきながら職員室を出ていった先生は、思惑が外れたようにも見えた。わたしは最初遠回しにわたしに体育の補助に入って欲しいというアピールをされているのかしらんとも思ったのだけど、空いてたら入ってあげよう。ってことで大体合ってる気がする、だいぶ掴めた宮本くんの性格的には。あれが当て馬にされたのかもしれないんだぜ。

本を読んでいるぐらいなら助けて欲しかったと、ちょっとした憤慨もあったのだろうか。その時は本当に早めに補欠が終わって帰ってきて、なんなら体育館で先生のクラスが体育してるのも横切った時見えて、とても入れない遅い時間だったのだけど。明日以降、体育も気にしよう。