本日やたら気合いの入っている宮本くん。

朝一、子どもたちにいいクラスへの意気込みみたいなものを紙切れに書かせていて、わたしに示しているのだろうかと、容量のないことへの要望に、戸惑うばかりである。

 


肝心のSくんは今日眠いで使い物にならず、Sくんの横で困っていたら先生がSくんに近づいてきて、今日はいつものSと違うじゃないかなどと言いながらSくんを上から覗きこみ、わたしは先生を見て、ちょっと眠そうですねと声をかけると、先生はわたしを上から覗きこむかたちで、鋭く目線がぶつかった。今日はもう夜だけど、あの視線がしばらく離れない。わたしをこうして見るために、ここに来たのではないだろうか。髪を切ったのはわかってくれているのだろうか。

ドギマギして戸惑って、今日は支援もうろちょろするばかりで、席替えでなんだか勝手が変わったのだ、結局残り10分で先生が起こして、その起こし方が、Sくんにキスをするんじゃないかと思うぐらい顔を近づけていて、その起こし方をわたしがされたらしんどすぎるわ、と思いながら、もう、なんで先生は、そうやってわたしを挑発するの、と憤慨する。

授業終わり、Sくんのことを話しに寄って、30分ぐらい寝ましたね、ちょっとスッキリした顔してるかなと言った。先生はそれだけではないような顔をしていた。手の怪我はどうですかと言ったら、あ、ぼちぼちですと、それは今後あまり触れなくてよさそうだったのでもう二度と言わない。

 


業間なわとびは大人しくしとこうと思いながら、結局Sくんの調子伺いの名目で、先生に声をかけに行った。子どものなわとびを見てあげてた風だったから、また邪魔かなと思いながら、Sくん復活しましたかと声をかけたら、思いの外反応してくれた。ちょっと横に並ぶそぶりを見せて、拒否反応をしなかった。わたしが聞き取れないぐらいのああだこうだを言って、Sくんもまあ元気そうなので、その場をゆっくり去ろうとしていたけど、先生がSくんにじゃれて、先生よりNちゃんが好きっていうの、などとおどけていて、チラリとこちらを見ながら、先生もNちゃんが好きみたいな張り合いをしていて、それはM先生にはすり替わりませんかねと、これもハラハラしながら、その場を去ったのだ。

 


給食はなんかど叱りしていた、宮本くんが気合い入れてる時はだいたいこうだ、真面目だな、と思う。真面目にわたしをからかっている。