人望のないわたしだけど、ひっそりと生きてる。

 


図工の支援に入った。

今日は最後の図工の時間だと言った。

そうだったんだ。

これで解放されるような感覚もあった。

 


Sくんが最終的に喜んで、わたしに甘えてくれたので今日の仕事は済んだ。Sくんがわたしの背中に飛びついた時、先生はどこにいるかなと周りを見渡すと、いなくてわたしの足元のトンネルにいたのだった。ちょっとびっくりしたけど、じゃあわたしの足元を見て、Sくんがわたしに近づいたのは見たのかな。それを見てどう思ってたのだろうか。のっそり出てきた先生は、今日は、何を考えていただろう。

一触れもしなかったけど、一度だけ、先生が近くに立った。その時、先生が動かないことにはわたしは動けないポジションで、先生の体温が伝わるようだった。30センチぐらいは離れてたのに、暖かさを感じた。すごいな、と思った。

 


わたしにデジカメを頼んでくれたのだけど、ほんの短い時間、先生がスマホで撮ってたのを見た。わたし変な頭してるけど、わたしを撮ろうとしてくれてたんだったらいいな。先生の写真は少し撮ったけど、わたしは貰えないからなー。でも子どもっぽく制作してる先生が、ちょっと可愛くて、こっそり、結構たくさん撮ってしまったのだ。