今日もいい日だったな。

あれっ、ほんのこの前、なんか最悪だと言っていた気がするんだけど。

 


わたしが2年生の隣に座ると、向こう側に座っていた先生は、こちら側に移動してきた。席離れてるの寂しいなと思って見ていたので、それはやっぱりわたしの中では大きな意味をもった。

さらにトイレから戻ってきた子を連れてわたしの隣に座らせると、先生はそこの後ろにつめて、始めより近くなった。

ずっと先生を後ろに感じながら、なんとか劇を見て、それなりに感心したり集中したりして、温かい時間を過ごしていた。そういえば始まった時は寒かったんだ。終わりには暖かかったのは、先生が側にいたからかもしれない。

唯一できること、それがなくなったら自分じゃなくなっちゃう。それがなくなっても、優先させたい人を見つけた。という温かい話だった。先生の隣でいろんな台詞を聞きながら、わたしの想いを話されているようで恥ずかしい、と何度か思った。

 


帰り際の職員室で、退勤5分前にやってきた先生は、わたしが机の上に置いたものに気づいたので、わたしから声をかけた。先生は補欠に喜んでくれた。キャラメルもありがとうございますと大きな声で言ったので、わたしは珍しくうろたえた。

その後座って、今日のオペラおもしろかったですね、と先生が振ってくれたので、わたし泣いちゃいました、と言ってみた。ちょいぶりっ子気味かなと思ったけど、さっき終わり際にした会話のままでは、わたしは鼻水を大量に出しただけになってしまっていたからだ。先生は、ロボットの動かなくなったところですか、と聞くので、そのシーンで泣いていた子どもたちを見て、と言った。もらい泣きしちゃいました、と言った。それも本当だけど、わたしがグッときたところは先生を思い浮かべてたりしたので、たぶん全てを口にすることができなかったのだ。

ついでに昨日の話が途中だったしうまく言えなかったことを、伝えようとしたけど余計にうまくいかなかった。

わたしはとっかかりで親御さんをつかったのであって、先生の最終手段でつかうものではなかったということを伝えたのと、慌ててしまって、変なこと言ってごめんなさいというのも先生は否定することなく、苦笑いというか、なんていうか多少お茶を濁されたところで、昨日から嫉妬している主任の先生が形相を変えて入ってきたので、さっさとお先に失礼したのだ。先生は、K、どうしたもんですかね〜なんて投げかけをしてくれたのに。

 


ああ、今日は、喜んでしまった、明日は嫌な日になるのだろうか、明日もいい日になったらいいのに。