バレンタインの翌日。

今日は補欠で支援がなくなっていた。

それも運命かと受け入れて過ごしていた。

支援だった時間、隣のオープンホールで元気な声を聞けていた。

 


さて給食。最近はタイミングを見計らって待ち構えている。そんな自分がいけないなぁと思いつつ、先生と話せる機会というのは大事にしたいと思っている。

先生は今日は席に長くいて、わたしは牛乳をチンしたり手を洗ったりしながら、席に着くまでいたなぁと思って、隣の事務員さんが昨日バレンタインなのに旦那と喧嘩をした、という話に、わお、今敢えてバレンタインの話題出すか、と思いながらも返して、先生が何も言わないのでおもむろにマスクをとって給食食べようかなーというところで、まる先生、昨日のクッキーありがとうございましたと話しかけてきた。皆が内心聞き耳を立てているだろうところ、チョコと表現しないのは配慮だったのか。めちゃおいしかったです、という感想に、勘のいい人は昨日バレンタインに個人的にお菓子を渡したんだろうか、と思っただろうか。わたしはおいしいといいなと思っていたから嬉しくて、あ、さっそく食べて、だか言って会釈を返した。すぐチョークホルダーの話題にして、あれ、買ってあって。というわたしの話に頷き、チョークが太くて一本入らないんですよ、これぐらいのチョークが入ります。と指で長さを伝えた。先生はチョークホルダーいまいちうまく使えないんですよねと言いながら、わたしの後ろの机にファイルを置きコピー機に周り、コピーをとって出ていった。

先生はたぶんこのタイミングでお礼を言おうと思っていたのだ。

 


放課後はわたしが出るタイミングと先生がなぜか職員玄関から帰ってくるタイミングが一緒になったけど、大して話題もないわたしたちは帰りの挨拶を交わすだけだった。わたしは何か言おうと思えば言えたのだと思うけど、言葉が出なかった。その余韻が変に残った。

 


チョークホルダーを、あんまりいいものじゃないと言ったのは、適切な表現じゃなかったのかもしれない。モヤモヤしている。モヤモヤはきっと複数原因がある。だけど、いいものじゃないと言った時、先生がちょっとがっかりしたような表情に見えた。

わたしにとっては迷って選んで、買って寝かせて、いざと思ったらちょっと細かった、それに先生はチョークホルダーが苦手なのも知っていた。だからわたしが持ち腐れするよりは、先生にというていを崩せなかった。だから使わない選択をしやすいように、ああ言ったのだけど、自分の気持ちを粗末にしようとした因果が返ってきたのかもしれない。

 


先生、大好き。

寂しさがふとやってくる回数が増えた。

大好き。触れたい。触れられたい。

先生の意識がわたしにだけ向いていたらいい。