上の子の誕生日。

よく晴れているけど、どこかに遊びに行くでもなし、わたしに似て人気者ではないのかもしれない。

わたしも今日鬼ごっこに入れてもらえなかった。

その少なからずのショックを、先生に言われたことに転嫁して、先生の言葉にショックを受けるふりをしていたのかもしれない。

 


5時間目の終わり5分から校庭に出て、先生と手つなぎ鬼でもできたのかもしれないけど、先生は参加しなかった。今日もくまできてたし、体つきも運動してなさそうというか、体調悪そうだったしな。

 


音楽の出だしが悪かったのかな、あの廊下で先生とKくんがきてKくんだけに構ったのがよくなかったのかな、教室はかなり早めにみんな出発しており、Kくんとわたしは置いていかれていた。

今日も拗ねさせてしまったなぁなんて思って、無視され気味な音楽、わたしも暗くなる気持ちを拭えないまま、でも先生がわたしに少し歌をふってくれたので、雰囲気を変えてくれて、そこからはいつもの音楽の感じに戻った。その終わりに、4、5の支援もゲットしたのだ。意外に快く応じてくれた。

4限の生活は、あれでよかったのか答えもないまま、でもそりゃ整頓したので効率も上がって、どんどんと作業は進み、時間内にほぼ終わらせることができた。そのまとめのお礼か、給食前にたぶん早めにわざわざ職員室まできてくれた。生活ありがとうございましたって、あのいかつめの顔してお礼を言ってくれた。たぶんわたしも嬉しかったので、ほとんど皆終わってよかったですね、と返した。話終わったかなと配膳台の方にいって、ボウルを抱えながら、音楽もあと2回なんですね、と話しかけたら思いの外長くそこにいてくれて、準備してくれている先生たちにボウルを取り上げられたりしながら、ずっと言えたらと思っていた、今後も絶対持たれた方がいいですよ、先生の音楽ほんとに楽しかったです、ということを伝えたら嬉しそうだった。じっくり、深くする先生の音楽は、わたしもその世界を楽しんだのだ。

人様に迷惑をかけながらだけど、褒めてあげたいと思っていたので、ひとつできてよかった。

 


言語化していないその人の心の中。

先生の深きを勝手に思って、勝手に期待したり失望したりしたけど、今日の桜の木の下でのお話は、先生なりのお別れの言葉なのかなと思った。

その帰り、2人になった時に少し間を置いて、先生は3月で変わるんですかと聞いたんだっけ、先生は言いにくそうに、うーん、どうなるかわからないんですけど、と言葉を濁して、わたしも最後まで聞きたくなかったので、無言で別れた。

 


下校で何人かの6年生と話して、職員室に戻ってお花紙をしていた。先生はそのうち戻ってきて、主任の先生とぽつぽつ話したりして、そのうち何か紙をチョキチョキ切り出して、机で作業を始めた。わたしのお花紙に合わせていたんだろうか、今職員会議の直前にする作業には思えなかった。クラス編成のやつなのだろう。わたしは例によって言うことその場で全て出してるので、特に話しかけようかなと思う事柄も、頭の中を通り過ぎていくとりとめのないものばかりなので、ずっとぼんやりお花紙を開いているふりをしていた。

会議前、あれ、先生が手にクリームを塗った気がする、というところで4年生の先生に話しかけられ、わたしも賑やかに返してしまって、そのうち先生は会議の部屋に行った。

 


涙が出るのは、まだどこか半信半疑な先生の異動を、今日の行動で悟ってしまったからかもしれない。先生はもうすぐここを去る。わたしはどうだろうか。